紐が長いショルダーバッグのオタク、どこ行った?
一時期、私の中の「あるある」として
「オタクっぽい男性、皆ショルダーバッグを利用している。しかも皆、背格好に対し異様にショルダー部分が長い。」
というのがあった。もう10年近く前の話である。
私の中の、と書いたが、実は友人数名も同様の認識をしており、「いったい何故であろうか」という話題で度々盛り上がった。
当時、私は同じ学校の友人数名と共同でブログを運営していた。
そこに、文章の上手い他校の友人から「オタクのショルダーバッグはなぜ長いのか」という記事を寄稿してもらったところ、驚くほどその記事のアクセス数が伸びたのも良い思い出である。
ちなみになぜ長いのかというと、こだわりが無いのかも、というのはもちろん挙げられるが、前提として、おそらく売ってある時のデフォルトの長さでそのままバッグを使用しているからではないかと当時の我々は推測していた。(違ったらご指摘ください)
で、だ。
最近全然ショルダーバッグの紐が長いオタクを見かけていない。
いや、もちろん毎日見た/見ていないのチェックを付けているわけではないが。記憶にない。とにかく、見かけていないという肌感覚である。
なぜ???オタクたち、今は何のカバンが流行っているの??私を置いてけぼりにしないでよ!!!
そう思った私は、インターネットでのリサーチだけでなく、週末のお出かけを通じてフィールドワークをすることにした。
まずインターネットで下調べ(「オタク バッグ 男」とかで検索した。「男」をつけないとアイドルオタクがコンサートのときに使う、うちわが入るサイズのバッグの画がたくさん出てくるので要注意だ。)するとともに、そもそも世間一般的にどういうカバンが広く利用されているかという観点でも街を観察した。
・トートバッグ
男女問わずよく見かける。一昔前なら「サブカル」とか言われていたタイプの人たちに多い印象。
・ボディバッグ
ショルダーバッグよりも、体に密着したような背負い方をするもの。背負うと書いたが、カバンを体の前、すなわち胸やお腹に持ってくる人もいる(なにせ、私もこのタイプである)。大きいサイズのものはメッセンジャーバッグ、とかって呼ばれていることもある。
・リュックサック
老いも若きも、またファッションの方向性も問わず、利用者がとても多様であった。
・その他
ハイブランドの定番の形のカバンや、クラッチバッグも見られた。
結論、街に出て改めて観察しても、やはりショルダーバッグのオタクは見かけなかった。上述のような種類のカバンの人ばかりであった。
また、ショルダーバッグというと、ビジネス利用のように見受けられる方も以前は見かけていた記憶だが、直近ではスーツ姿の方もリュックか、手持ちカバンの2択という状況だった。
つまり、紐の長いショルダーバッグのオタクを見かけないというより、もはやショルダーバッグ自体あまり流行っていなさそうだ。
歩く度に脚(あるいはお尻)で蹴るような形になりボヨンボヨンと浮いてしまう(紐が長ければなおさらである)ショルダーバッグよりも、ボディバッグやリュックサックのような、体に密着するものに流行の波が来ていることがわかった。皆、利便性一辺倒なのかもしれない。
貴重な休日に何をやっているんだろうか。ファッション系の仕事をしているわけでもカバン屋さんでもないのに。
とにかく、紐の長いショルダーバッグのオタクたちよ、永遠なれ。